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鹿児島県奄美市北部から中央部,鹿児島市北部,および鹿屋市南部における都市化による陸産貝類相への影響

坂元遊杜・冨山清升

Abstract / Introduction / Summary:

都市化による陸産貝類相への影響を調査研究した.都市化が陸産貝類群集に与える影響を調べるために,周辺の開発度合いが異なる鹿児島県の3つの地域,計10地点で陸産貝類の採集と分析を行った.採集の結果3目16科33属50種1459個体の陸産貝類が記録された.そのうち3種は外来種であった.分析は野村・シンプソン指数に基づいて調査地間の類似度を求め,それをもとにクラスター分析を用いて群平均法でデンドログラムを作成した.その結果,都市開発が進むほど同じ地域内での類似度が低下していることが分かった.したがって,都市化は陸産貝類の移動を遮断し,都市内のわずかな範囲の生息地に隔離する作用があると考えられる.外部からの新たな陸産貝類の移入がなく,今後都市内の陸産貝類は徐々に種の多様性が低下すると予想された.