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鹿児島湾におけるゴマフニナ(腹足綱:ゴマフニナ科)の殻の内部成長線解析

尾花京佳・林 佑香・冨山清升

Abstract / Introduction / Summary:

鹿児島市の桜島袴腰海岸において,ゴマフニナPlanaxis sulcatus (Born, 1778)(盤足目ゴマフニナ科)のサイズ頻度分布とゴマフニナの内部成長線を観察し,ゴマフニナの生活史を明らかにした.2021年1月から2021年12月まで,毎月大潮時に潮間帯でサンプルを見つけ取りで50個体採取した.殻高と個体数のヒストグラムから,冬にゴマフニナの稚貝の新規加入が確認でき,稚貝の新規加入は冬から春にかけて行われていると推測できた.各月のサンプルの中から,ランダムに5個体ずつ選び研磨処理を行い,内部成長線とみられる縞を確認できた.濃い内部成長線数が奇数本であるか偶数本であるかの2種類によって構成されてある積み上げ縦棒グラフより,繁殖シーズン(繁殖最盛期)と冬期の年2回,ゴマフニナは成長遅滞が起こることがわかった.