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奄美大島から得られた薩南諸島初記録および北限記録のワニトラギス

畑 晴陵・前川隆則・栗岩 薫・中江雅典・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

トラギス科魚類は日本近海において29種が知られる(荻原・遠藤,2011;島田,2013;日比野ほか,2013).そのうち,ワニトラギスRyukyupercis gushikeni (Yoshino, 1975)は,沖縄島近海から得られた個体に基づき記載され,長らくトラギス属Parapercisに含まれてきた(例えば,吉野,1984; Shimada, 2002).その後,Imamura and Yoshino (2007)は本種を単型属であるワニトラギス属に帰属した. 奄美大島の魚類相を調査する過程で,2017年4月10日に1個体のワニトラギスが採集された.本標本は本種の薩南諸島における初めての記録となるとともに,本種の分布の北限を更新するものとなるため,ここに報告する.