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鹿児島大学鴨池実習地でのシジミチョウ類の発生消長

森永龍之介・棚瀬 光・角 拓人・栗和田隆

Abstract / Introduction / Summary:

鹿児島県にはヤマトシジミを代表とした様々 なシジミチョウ科昆虫が生息している.こういっ たシジミチョウ類は個体数が多く,幼虫の食草も 人家周辺や川辺に繁茂する身近な植物であるた め,環境教育の教材として適切であると考えられ る.また,種間関係を学ぶ際の格好の材料にもな り得る.教材とするには目的に応じてシジミチョ ウ類を観察しやすい期間に学習日程を組み込む必 要がある.しかし,鹿児島県では発生消長に関す るまとまった研究例はない.そこで,鹿児島大学 教育学部の鴨池実習地を調査地とし,シジミチョ ウ類の発生消長を明らかにした.4–10 月にかけ て,ルートセンサスと直接採集をおこなった.そ の 結 果,3 種 の シ ジ ミ チ ョ ウ( ヤ マ ト シ ジ ミ Pseudozizeeria maha,クロマダラソテツシジミ Chilades pandava,ルリシジミ Celastrina argiolus) の発生消長が明らかになった.さらに,食草の分 布に関連して各種が生息していることが示唆され た.また,特に周年観察され個体数も多かったヤ マトシジミに関しては体サイズも測定したとこ ろ,明確な季節変化が見られ,温度 — サイズ則 に従っていることがわかった.