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口永良部島の新岳噴火後におけるエラブオオコウモリの生息状況と今後の保全について

船越公威

Abstract / Introduction / Summary:

クビワオオコウモリPteropus dasymallus の亜種 であるエラブオオコウモリP. d. dasymallus は,口 永良部島を含めてトカラ列島に分布している.本 亜種は天然記念物で絶滅危惧IA 類にランクされ ている.これら島嶼の総生息頭数は200 頭を越え ないとされ,口永良部島の個体数は50–100 頭で 推移していると予測されている(船越・國崎, 2003).その後の個体数の変化は十分に把握され ておらず,競合種と考えられるヤクザルの移入や 2015 年5 月の新岳の爆発的噴火の影響でエラブ オオコウモリの生息が危惧されている.そこで, 本亜種の生息状況や個体数の把握,ねぐら場所の 安定性および餌資源を精査することを目的として 実施し,それらの成果を基に今後の保全策を検討 した.