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生物多様性モニタリング・プロトコール 3 野生動物の痕跡を探そう -意外に身近にいる野生動物たち-

船越公威

Abstract / Introduction / Summary:

野生の哺乳類の多くは夜行性なので,その姿を目撃することや出会うことが難しいのです.彼らの活動場所の大半は人の生活域から少し離れています.また,警戒心が強くて人の気配を素早くキャッチして身を隠します.そのため,彼らの生息の実態を知ることは至難の業です.唯一の例外はアブラコウモリ(イエコウモリ)で,夕方飛んでいる姿を校庭でも見ることはできます.でも,どこから飛来してくるのか?どこで採餌しているのか?ねぐら場所は?と疑問がでてきます.そこで,今回は哺乳類が残してくれる痕跡などを手がりに,彼らの生活の一部を追ってみましょう.探索の手がかりとなるのは,足跡,食痕,糞,巣(ねぐら)などです.その発見によって彼らに一歩近づけるはずです.以下にそれらの具体的な例を紹介しましょう.