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奄美大島から得られたマンボウ科の稀種ヤリマンボウ Masturus lanceolatus

小枝圭太・興 克樹・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

マンボウ科魚類 Molidae は世界でヤリマンボウ 属 Masturus,マンボウ属 Mola,およびクサビフ グ属 Ranzania の 3 属が知られており(Eschmeyer, 2016), 日 本 近 海 に は ヤ リ マ ン ボ ウ Masturus lanceolatus (Liénard, 1840),クサビフグ Ranzania laevis (Pennant, 1776),ウシマンボウ Mola sp. A, およびマンボウ Mola sp. B の 4 種が分布する(波 戸岡・萩原,2013). これまでヤリマンボウは日本国内において本 州・九州の日本海沿岸と本州の太平洋沿岸,小笠 原諸島兄島,琉球列島(口永良部島および沖縄島), ならびに南大東島から記録されていた(波戸岡・ 萩原,2013;中坊・池田,2015).2015 年 2 月 12 日に鹿児島県奄美大島竜郷町喜瀬の海岸に迷入 し、その後、同海岸に打ちあがったヤリマンボウ 1 個体が採集された.本標本は鹿児島県における ヤリマンボウの 2 例目の記録となるとともに奄美 群島からの初めての記録となるため,ここに報告 する.