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鹿児島県薩摩半島におけるオニヌマエビおよびAustralatya obscura(十脚目 : ヌマエビ科) の出現と分布

讃岐 斉・讃岐綾南・讃岐真理子・大富 潤

Abstract / Introduction / Summary:

鹿児島県薩摩半島をほぼ網羅するかたちで13河川を選定し,オニヌマエビ属とAustralatya属の出現と分布を2016年に調べた.その結果,半島南西部の久志川でのみオニヌマエビAtyopsis spinipes (Newport, 1847) 7個体,Australatya obscura Han and Klotz, 2015 1個体が出現した.生息域の環境的特徴は河床が礫や転石になっている瀬で,流れの速い瀬の転石の上や下,水生植物の根の間から採集された.採集地の水温は11.1(12月)~17.0℃(9月)であり,低緯度地方に分布の中心がある本属にとって,薩摩半島南部を流れる久志川は生息に適した環境を有すると判断された.