奄美大島における甲殻十脚類に関する研究は, 1963 年の上田による淡水産エビ類に関する研究 に始まり,その後汽水 ― 陸水域の甲殻類相(諸 喜田,1975, 1979, 1989;武田,1989a;Shokita & Nishijima, 1976;鈴木ほか,2015a, b;三浦・三浦, 2015)や大島海峡の海産異尾類相ならびに短尾類 相 (Baba, 1989;Takeda, 1989b) が明らかにされた. さらに,近年になるとマングローブの潮間帯や飛 沫転石帯において小型種や希少種の生息も報告さ れるにいたった ( 岸野ほか,2001a, b;野元ほか, 2002;鈴木ほか,2008). このような中,第 2 著者である米沢は,昨年 本島中部に位置する住用川・役勝川河口域周辺の 河岸堤や止水池の堤において,ヒメアシハラガニ モドキ Neosarmatium indicum の生息している事を 確認した.その後,2015 年 9 月 26 日に当該地点 でオス 1 個体を採集したので,ここに報告する次 第である.調査にあたっては当該個体群の攪乱を 最小限とするために,証拠標本として 1 個体のみ 採集した.また,採集した標本は鹿児島大学総合 研究博物館に登録保存した(KAUM-AT-212).

ヒメアシハラガニモドキ Neosarmatium indicum (A. Milne-Edwards, 1868) の奄美大島における初記録(鈴木廣志・米沢俊彦)