これまで海岸の清潔の保持は,廃棄物の処理 及び清掃に関する法律(以下,廃掃法という)第 五条に従い,土地の占有者,管理者の義務とされ てきた.一方,海岸の管理者は,海岸法により国 の各省庁から地方公共団体まで多岐にわたる.排 出者が不明であり,離島や遠隔地等の過疎地を中 心に,河川流域からまたは海を渡って遠方から大 量にかつ不定期に漂着する海洋ごみは,排出者責 任を原則とした廃掃法では問題が顕在化するにつ れ,発生抑制の推進主体や回収処理の責任体制が 不明確なため,対応に問題が出てきた. JEAN /クリーンアップ全国事務局では,1990 年より全国一斉に行ってきた国際海岸クリーン アップ(ICC ; International coastal cleanup) 1) を基 礎に,海ごみ問題に悩む市町村・関係者と問題解 決に向けての議論の場として 2003 年から毎年「海 ごみサミット」を開催してきた.一方で,前述し た法的行政的課題は一向に解決の気配がないこと から,海ごみサミットや ICC で得られた知見を もとに関係省庁の担当課や国会議員へ資料提供や 課題提起を続けてきた.2006 年には自民党の勉 強会を経て,特別委員会が設置され,被害甚大地 域からの報告,JEAN からの提案,省庁の取り組 み等の報告を踏まえ,2009 年 2 月,ようやく法 律制定に向けた動きが始まった.同年 7 月 15 日, 海洋ごみの問題提起から 20 年を経て,超党派に よる議員立法として「海岸漂着物処理推進法」が 交付された. ここでは JEAN 理事およびクリーンアップかご しま事務局代表として,また海洋ごみの研究者の 一人として立法化にあたっての議論に関わってき 身として,今後,本法で規定された漂着物対策の 地域計画が鹿児島県でも策定されることから,本 県における海洋ごみの現状について紹介し,その 具体的対策を提言したい.

海岸漂着物処理推進法制定と鹿児島県における今後の対策(藤枝繁)