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九州沿岸初記録のマツバギンポとフタホシニジギンポ

餅田 樹・森下悟至・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

イソギンポ科魚類(Blenniidae)は世界で約60属390種が知られており,そのうち30属80種が日本国内から記録されている(村瀬ほか,2011;藍澤・土居内,2013).薩摩半島西岸における魚類相調査の過程で,4個体のマツバギンポ属と2個体のハタタテギンポ属魚類が採集された.その後,これらの標本はそれぞれマツバギンポMimoblennius atrocinctus (Regan, 1909)とフタホシニジギンポPetroscirtes springeri Smith-Vaniz, 1976に同定された.各種の日本国内における記録はマツバギンポが八丈島から高知県沖の島にかけての太平洋沿岸,小笠原諸島,および鹿児島県硫黄島以南の琉球列島で,フタホシニジギンポが山口県日本海沿岸,千葉県館山湾から高知県柏島にかけての太平洋沿岸,および愛媛県室手である(藍澤・土居内,2013).したがって,両種は九州沿岸からの初記録となるためここに報告する.