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福岡県におけるナンカイヌリトラノオの分布

金光浩伸

Abstract / Introduction / Summary:

日本国内に分布するヌリトラノオ複合体The Asplenium normale complex には,四倍体のヌリトラノオA. normale, シモツケヌリトラノオA. boreale,テンリュウヌリトラノオA. shimurae, 及び二倍体のカミガモシダA. oligophlebium(イエジマチャセンシダを含む)が知られていたが, 近年の研究により隠蔽種が存在することが明らかとなり(Fujiwara et al. 2017),ナンカイヌリトラノオA. serratipinnae T. Fujiw. & Watano が記載された(Fujiwara et al. 2020).ナンカイヌリトラノオは,伊豆諸島(東京都),本州(静岡県,愛知県, 三重県,滋賀県,京都府,和歌山県),四国(徳島県),九州(佐賀県,長崎県,宮崎県,鹿児島県), 沖縄県(Fujiwara et al. 2020)のほか,高知県(堀・藤原 2020)に記録があり,国内では南部地域を中心に分布している. 今回,ナンカイヌリトラノオが福岡県において分布することを確認したため,現地調査及び標本調査の結果について報告する.