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鹿児島県における国指定鳥獣保護区

奥山正樹

Abstract / Introduction / Summary:

鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)に基づく鳥獣保護区は,国(環境大臣)と都道府県(知事)のいずれかが指定することができる.

2022 年3 月現在で,鹿児島県には,国が指定した鳥獣保護区が4カ所計5,996 ha(環境省資料),鹿児島県知事が指定した鳥獣保護区が128カ所64,203 ha(第13 次鳥獣保護管理事業計画書)が所在する.

全国の国指定鳥獣保護区86 カ所のうち鹿児島県には4 カ所が位置し,国が指定する4つの指定区分(大規模生息地,集団渡来地,集団繁殖地,希少鳥獣生息地)から各1 カ所となっている.

本稿は,鳥獣保護区と指定区分の進展を研究する一環として,鹿児島県における国指定鳥獣保護区(2002 年の法改正までは「国設鳥獣保護区」)の経緯とともに,現行の4 カ所における指定や保護利用の経緯等をケーススタディーとしてまとめたものである.また,奄美大島の湯湾岳鳥獣保護区との関係から,同じ世界自然遺産を有する屋久島の状況についても整理した.

文献資料は,文中および末尾のリストに示したほか,毎年度とりまとめられている環境省版および鹿児島県版の鳥獣関係統計,狩猟者必携(鹿児島県版),鹿児島県環境白書並びに各国指定鳥獣保護区の指定計画書を参照した.