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屋久島におけるスナモグリ類2種の記録

清水直人

Abstract / Introduction / Summary:

スナモグリ類は干潟から潮下帯にかけて巣穴を形成し生息する小型の甲殻類である.筆者は屋久島の潮間帯および潮下帯上部にて調査を行い,ブビエスナモグリParatrypaea bouvieri (Nobili, 1904) とミツトゲヤワスナモグリLepidophthalmus tridentatus (von Martens, 1868) を採集した.ブビエスナモグリおよびミツトゲヤワスナモグリはインド・西太平洋の熱帯から亜熱帯に広く分布する種であり(Sakai, 2005),国内では琉球列島を中心に報告されている(例えばKomai and Tachikawa, 2008; Komai et al., 2018).スナモグリ類は国内の河口干潟,前浜干潟に広く分布しており,屋久島でも同様に生息していると想定されたが,これまで一種も報告されたことがない.本研究は屋久島におけるスナモグリ類の不足する分布実態と生息環境の知見集積に際して有益と考えられるため,ここに屋久島における上述の2種の分布と生息環境について報告する.