Abstract / Introduction / Summary:
西日本(近畿以西)でよく見られる,中腹足目ヤマクルマガイ科についての生活史調査を行った.採集した各々の個体の殻長を測定し,殻口外唇部の肥厚の程度から成外か幼貝かの判定を行った.調査地は,鹿児島市の鹿児島大学郡元キャンパス構内のたまり池横周辺の落葉層のある林床に設定した.調査は2008年12月から2009年12月にかけての13ヶ月間行った.今回の調査から,ヤマクルマガイは春先の3–4月に産卵し,孵化した幼貝は,幼貝のまま冬を越すと考えられる.そして,翌年の11月から1月にかけて,幼貝から成貝へと成長するのではないかと考えられた.これらの事から,ヤマクルマガイは孵化後一年程が経過をした頃に成熟し,繁殖を行うのではないかと考えられた.