種子島から得られた大隅諸島初記録のサクラダイ

サクラダイ属Sacuraは背鰭が10棘14–18軟条,臀鰭が3棘7軟条,胸鰭が16–18軟条,標準体長に対する体高の割合が41–50%であること,第1鰓弓下枝の鰓耙数が22–30であること,舌上に歯板を欠くことなどで特徴づけられる(Heemstra and Randall, 1979).現在までに,サクラダイ属は5有効種が知られており,そのうちサクラダイは日本,韓国,台湾,およびニューカレドニアと比較的広く分布する(Fricke et al., 2011;瀬能,2013)が,同属他種は局所的な分布を示し,S. boulengeriはオマーン湾とパキスタン,S. parvaはティモール海,S. sanguineaはアンダマン海,およびS. speciosaはインドネシア・セレベス・マナド湾から記録されている(Heemstra and Randall, 1979; Pomadakis et al., 2015; Motomura et al., 2017).

これまでサクラダイは,国内において伊豆諸島,小笠原諸島,兵庫県から九州北西岸にかけての日本海沿岸,茨城県,相模湾から宮崎県の太平洋沿岸,鹿児島県本土(薩摩半島西側,鹿児島湾,大隅半島内之浦),鬼界カルデラ,および琉球列島(トカラ列島中之島)から記録されていた(岩坪ほか,2011;瀬能,2013;吉田ほか,2017;畑,2018). 2019年2月10日に大隅諸島種子島東方田之脇曽根において,サクラダイが1個体採集された.本標本は本種の標本に基づく大隅諸島からの初記録であるため,ここに報告する.