薩摩半島西岸から得られた分布北限記録のシラヌイハタ

シラヌイハタEpinephelus bontoides (Bleeker, 1855)は,西太平洋の熱帯・亜熱帯域に散在的に分布する標準体長50 cmに達する中型ハタ科魚類であり,本科魚類においては珍しく,成魚が河川の汽水域に定着することもある(Randall and Heemstra, 1991;栗岩ほか,2008; Heemstra and Myers, 2011;瀬能,2013).シラヌイハタの日本国内における報告例は少なく,栗岩ほか(2008)により屋久島から得られた標本に基づき日本から初めて報告され,その後,種子島(鏑木,2016),口永良部島(木村ほか,2017),および奄美大島(桜井,2018)からのみ記録されている.これらの報告は成魚あるいは若魚の記録に限られており,これまで国内から幼魚の記録はなかった. 2018年12月22日に鹿児島県南さつま市笠沙町で第2著者により1個体のシラヌイハタの幼魚が採集された.本標本は九州沿岸における本種の初めての記録であり,分布北限を更新する記録であるとともに,日本国内における本種の幼魚の初めての記録であるためここに報告する.