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鹿児島県初記録のタチウオ科魚類カンムリダチ

畑 晴陵・三木涼平・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

タチウオ科魚類Trichiuridaeは日本近海に13種が分布することが知られ(中坊・土居内,2013),そのうち鹿児島県内からはナガユメタチモドキAssurger anzac (Alexander, 1917),ユメタチモドキEvoxymetopon taeniatum Gill, 1863,ヒレナガユメタチE. poeyi Günter, 1887, ヒレナガオオメユメタチ E. macrophthalmum Chakraborty, Yoshino and Iwatsuki, 2006,タチウオTrichiurus japonicus Temminck and Schlegel, 1844,オキナワオオタチTri-chiurus sp. 1およびテンジクタチTrichiurus sp. 2の少なくとも7種が標本に基づき報告されている(中坊・土居内,2013;遠藤・片山,2014;畑ほか,2015, 2016; Motomura, 2016;畑,2017;小枝,2018). 南九州における魚類相調査の過程で,1個体のカンムリダチTentoriceps cristatus (Klunzinger, 1884)が薩摩半島西岸に位置する笠沙沖から採集された.同標本は本種の鹿児島県における標本に基づく初めての記録となるため,ここに報告する.