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宇治群島宇治島と奄美群島喜界島から得られたウミヘビ科魚類モヨウモンガラドオシMyrichthys maculosus

畑 晴陵・日比野友亮・伊東正英・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

ゴイシウミヘビ属 Myrichthys は臼歯状の歯を もち,両顎と鋤骨に複数歯列を有すること,胸鰭 が短く,基底部が幅広いこと,背鰭起部が鰓孔直 上よりもはるかに前方に位置することなどの特徴 をもち(McCosker and Rosenblatt, 1993; Smith and McCosker, 1999),日本からはシマウミヘビ M. colubrinus (Boddaert, 1781) とモヨウモンガラドオ シ M. maculosus (Cuvier, 1816) の 2 種が知られて いる(波戸岡,2013). 鹿児島県内におけるモヨウモンガラドオシの 標本に基づく記録としては,これまでに奄美大島 から 1 個体の報告があるのみであった(Tanaka, 1913).2013 年 5 月 5 日に宇治群島宇治島から 1 個体のモヨウモンガラドオシが採集され,また鹿 児島大学総合研究博物館所蔵の標本を調査する過 程で奄美群島喜界島産の 1 個体が見つかった.こ れら 2 標本は宇治群島ならびに喜界島における本 種の標本に基づく初めての記録となるため,ここ に報告する.