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オオタチヤナギ(ヤナギ科シロヤナギ節)の鹿児島県における記録

丸野勝敏

Abstract / Introduction / Summary:

鹿児島県の湖沼,河川敷に群生するヤナギ類 はジャナギ Salix eriocarpa Fr. et Sav. とされてきた が(初島,1978),初島(2004)は近縁種のオオ タチヤナギ S. pierotii Miq. を追加している.しか し標本は発表していない.オオタチヤナギとジャ ヤナギの 2 種の取り扱いについて,北村・村田 (1979)は同種とし,木村(1989)は別種とし,ジャ ヤナギは雄株がみつからないこと,側脈は平行し て乱れないこと,枝端の若葉はほとんど無毛に近 いこと,背腹両腺体が側方でしばしば合着するこ となどで区別できるとしている.最近の取り扱い は別種が多い(長谷川,1988;初島,2004;南谷, 2004).福岡県 ・ 宮崎県の記録はオオタチヤナギ を普通,ジャヤナギは稀としている(益村, 2000;南谷,2004).筆者は最近鹿児島県下のい くつかの場所でオオタチヤナギを確認したので報 告する.