ツチバチ科は有剣ハチ類に含まれる比較的大 型のハチであり,日本からは 4 属 25 種が記録さ れている(三田,2020).このうち,ミヘヤツチ バチ属 Liacos は,ツマキツチバチ L. erythrosoma とナガセクロツチバチ L. melanogaster の 2 種が知 られ,ツマキツチバチは腹部第 3 節以下が赤褐色 であるのに対し,ナガセクロツチバチは腹部全体 が黒色であることにより容易に区別される(寺山・ 長瀬,2016). ナガセクロツチバチは,鹿児島県大隅半島に おいて採集された個体(2 オス,1 メス)をもと に記載された(Tsuneki, 1982).その後長らく追 加の採集記録がなく,環境省レッドリストおよび 鹿児島県レッドリストで準絶滅危惧に選定される など,絶滅が危惧されていた(環境省自然環境局 野生生物課,2020;山根・河野,2016).しかし, 近年,河野ほか(2021)により本種が鹿児島県北 部の新産地とともに 38 年ぶりに再発見された. 筆者らは大隅半島にて 2019 年と 2020 年に河 野ほか(2021)の記録にて報告がなかったメス個 体を含む複数個体を確認しているので,追加の記 録として報告する.

ナガセクロツチバチ(ハチ目:ツチバチ科)の 追加記録とメスの再発見(阿部純大・河野太祐)