鹿児島県におけるニホンアナグマ Meles ana- kuma の現状を知るため,6 地域別年次別のロー ドキル個体数 /100 km を算出し,その数が相対的 な生息個体数の変化を反映しているとして個体数 の推移を追った.個体数の変化に対する近年の捕 獲圧の影響や同所的に生息するタヌキの個体数変 化との関係を検討した.その結果,薩摩半島域で は 2013 年頃からアナグマの個体数は急増(ロー ドキル個体数 10 頭以上)したが,大隅半島域で は少しの増加(ロードキル個体数 10 頭以下)に 留まっていた.有害捕獲数もこれらに連動して増 加した.その後,両地域の増加傾向は 2016 年ま で続いたが,2017 年にロードキル個体数が大隅 南東部を除いて急減した一方で,全県総捕獲数は 6 千頭で高止まりしていた.他方,タヌキは全県 で個体数の増減がみられるが個体数が多く(ロー ドキル個体数 10 頭以上),特に大隅半島域では顕 著(ロードキル個体数 30 頭以上)である.両種 の個体数やその変動の違いは,繁殖率の差や食物 資源をめぐる両種間の干渉があると予想される. アナグマは依然として個体数が多い状況にあり, 農作物被害の拡大も無視できないが,今後,過度 の捕獲圧でアナグマが激減しないよう保全上注視 する必要がある.

鹿児島県のニホンアナグマ Meles anakuma における ロードキル個体数の変化からみた捕獲圧の影響と タヌキ Nyctereutes procyonoides との関係について(船越公威)