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鹿児島県におけるニホンカモシカの目撃報告

田金秀一郎

Abstract / Introduction / Summary:

ニホンカモシカ(Capricornis crispus)は偶蹄目ウシ科ヤギ亜科の日本固有の哺乳類で,1934年に特別天然記念物に指定され,全国的に保護の対象とされている.中国地方を除く本州,四国,および九州に分布し,九州ではこれまで大分県,宮崎県,熊本県に生息していることが知られおり,いずれの九州3県においても絶滅の恐れのある動物(大分県VU,宮崎県VU,熊本県IB)として指定されている(熊本県,2009;大分県,2011;宮崎県,2016).鹿児島県には日置市の黒川洞窟などから縄文・弥生時代のニホンカモシカの動物遺体が見つかっていることから,かつて生息していたと考えられているが(西中川ほか,1993),それ以降の記録はなく、現在分布は認められていない.