イソハゼ属 Eviota Jenkins, 1903 は浅海サンゴ礁域に生息する小型ハゼ科魚類で,現在,114 有効種が知られている(Greenfield, 2017; Greenfield et al., 2018).本属に含まれる種数は海産硬骨魚類で5 番目に多く,その内,サンゴ礁域に生息する魚類ではウツボ属に次いで 2 番目に多い(Greenfield, 2017).イソハゼ属魚類 114 種の内,日本国内ではこれまでに 44 種が報告されている(Greenfield and Suzuki, 2012; 明仁ほか,2013; Greenfield et al., 2014a, b; Suzuki and Greenfield, 2014; Suzuki et al., 2015; 鈴木ほか,2015).鹿児島県トカラ列島と奄美群島における魚類相調査の過程で,奄美群島の沖永良部島からシマミドリハゼ Eviota afelei Jordan and Seale, 1906 が 1個体,同島とトカラ列島の口之島と平島からキビレ イ ソ ハ ゼ Eviota flavipinnata Suzuki, Greenfield and Motomura, 2015 が計 5 個体採集された.本研究はシマミドリハゼとキビレイソハゼの日本におけるこれまでの報告を再検討し,鹿児島県トカラ列島と奄美群島産の標本と水中写真などの追加資料に基づき,日本における各種の分布状況を明らかにしたのでここに報告する.

シマミドリハゼとキビレイソハゼ (ハゼ科イソハゼ属) の日本における分布状況(藤原恭司・鈴木寿之・本村浩之)