鹿児島大学理学部前にある林園の池は,地下 水からのくみあげ水が溜まっているために,温度 がほぼ 1 年中一定であるが,冬季の水温は 10℃ 以下になる.池には,外来種である淡水性腹足類 貝類であるサカマキガイとインドヒラマキガイが 同所的に生育し,1 年を通して観察できる.この 2 種の貝の生活史について調査した. サカマキガイ(physa acuta)は,サカマキガイ 科の貝で淡水産であり,ヨーロッパからの外来種 である.生命力が強く,全国から報告があり,分 布が拡大傾向にあるといわれる.また,環境の変 化に強いことに加え,鋭い歯をもち,主に雑食性 であるが,他種軟体動物を摂食することもあるた め,同棲在来種を駆遂してしまうとの報告もある. インドヒラマキガイ(Indoplanorbis exustus)はヒ ラマキガイ科の貝で淡水産であり,東南アジアか らの外来種である.また,本種は有肺類に属し雌 雌雄同体である.本種は,寒さに弱く繁殖力は強 い方ではなく寿命は 1 年とされている.主に室内 の水槽では生育するが,日本においては野外では 越冬し得ないとされている.九州からの報告では, 最低水温が 15 度以上の場所では生育するという 報告がある.

鹿児島大学理学部林園水槽内における 外来種淡水性巻き貝のサカマキガイ(Physa acuta)と インドヒラマキガイ(Indopranorbis exustus)の生活史(染川さおり・冨山清升)