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九州沿岸から初めて得られたフグ科魚類オキナワフグ

畑 晴陵・伊東正英・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

オキナワフグ Chelonodon patoca (Hamilton, 1822) はインド・太平洋に広く分布するフグ科魚類であ る(Matsuura, 2002;山田・柳下,2013).本種は 筋肉,肝臓,および生殖巣が有毒であることが報 告されており,海外においては中毒死の事例も報 告されている(Mahmud et al., 2003; Ghosh et al., 2004;照屋ほか,2006;大城,2008).オキナワ フグは日本近海では小笠原諸島,紀伊半島,屋久 島,および琉球列島からのみ記録されていた (Matsuura, 2002; 山 田・ 柳 下,2013; Motomura and Harazaki, 2017). 2017 年 1 月 25 日,薩摩半島の西岸に位置する 笠沙町沖に設置された定置網により,1 個体のオ キナワフグが得られた.本標本は九州沿岸におけ る本種の標本に基づく初めての記録となるため, ここに報告する.