奄美大島は,南西諸島中央部の中琉球を構成 する島嶼の一つで,総面積 709 km 2 と,沖縄島に 次いで大きな島である.沖縄島に比べ山が広く深 いため陸域や陸水域の生物多様性に富んでおり, 「東洋のガラパゴス」 とも呼ばれ,固有種も多い 島である(鮫島,1995). 十脚甲殻類に関する研究は,1963 年の上田に よる淡水産エビ類に関する研究に始まり,その後 汽水 ― 陸水域の甲殻類相(諸喜田,1975, 1979, 1989; 武 田,1989a;Shokita & Nishijima, 1976) や大島海峡の海産異尾類相ならびに短尾類相 (Baba, 1989; Takeda, 1989b)が明らかにされた. さらに,近年になるとマングローブの潮間帯や飛 沫転石帯において小型種や希少種の生息も報告さ れるにいたった(岸野ほか,2001a, 2001b;野元 ほか,2002;鈴木ほか,2008). このような中,勝と常田は,2005 年頃から本 島北部に位置する手花部の細流にあるマングロー ブ 林 に お い て, シ モ フ リ シ オ マ ネ キ Uca triangularis (A. Milne-Edwards, 1873) のいることを 知り,このたびその個体群の生息を確認したので, ここに報告する次第である.

シモフリシオマネキの奄美大島における初記録(鈴木廣志・勝廣光・常田守)