オキチモズクは,日本特産の淡水紅藻類であり, 浅い小流中の石に付着する.晩秋から晩春の時期 に周辺の水温より高い流水中に生育する(熊野, 2000).1938 年に愛媛県旧川内町(現在の東温市) のお吉泉にて発見された.その後,長崎県の国見 町,熊本県の南小国町でも発見され,これらの生 育地は,いずれも文化財保護法によって国の天然 記念物に指定されている.また,環境省の絶滅の おそれのある野生動植物では,絶滅危惧Ⅰ類に指 定されており(環境省,2007),鹿児島の絶滅の おそれのある野生動植物では,絶滅危惧 I 類に指 定されている(鹿児島県,2003). 生育範囲は,九州以南とされ,鹿児島県では 2002 年に南九州市川辺町で生育が確認されたの を機に,2004 年から 2008 年にかけて曽於市末吉 町,大島郡龍郷町,熊毛郡屋久島町,鹿屋市と新 たな生育確認の報告がテレビや新聞等の報道にて なされている. 今回出水市にて新たに生育地を発見したため, 生育範囲や株数,生育状況を調べ,ここに報告す る.

出水平野で確認されたオキチモズク(Nemalionopsis tortuosa) の生育状況(稲留陽尉・山本智子)