日本産カヤツリグサ科ウキヤガラ属植物は,ウ キヤガラ Bolboschoenus fluviatilis (Torr.) T. Koyama subsp. Yagara (Ohwi) T. Koyama,コウキヤガラ B. maritimus (L.) Palla,イセウキヤガラ B. planiculmis (F. Schm.) T. Koyama の 3 種が知られている(小山, 1980).このうち,ウキヤガラとコウキヤガラの 2 種 が 鹿 児 島 県 か ら 報 告 さ れ て い る( 初 島, 1986). ウキヤガラ属 3 種の特徴は以下の通り(小山, 1987).ウキヤガラの悍の高さは 80–150 cm.葉 は悍上生,巾 5–10 mm.花序は頂生の散房状,側 枝は 3–8 本,長いものは長さ 7 cm,1–4 個の小穂 を着ける.果実は三稜形,柱頭は 3 岐する.刺針 状花被片は 6 本,果実と同長か少し短い.平地の 池畔の残水中や湿地の溝中などに生える.コウキ ヤガラの悍の高さは 20–100 cm,花序は頭状,稀 に側枝を出す.果実はレンズ状である.イセウキ ヤガラの悍の高さは 40–80 cm.葉の横断面は鋭 角 3 角形,巾 2–5 mm.苞は 2 個あり,1 個は立 ち悍に続き,花序は側生.小穂は 1 個稀に 2 個着 ける.果実はレンズ形,長さ 3.5 mm.刺針状花 被片は 6 本.柱頭は 2 岐する.満潮時に完全に水 没するシオクグ帯以深に生育する. 本研究で鹿児島県産ウキヤガラ属植物の標本 を検討した結果,それらはウキヤガラとイセウキ ヤガラと同定された.これまでウキヤガラの詳細 な生育地は不明であり,またイセウキヤガラは鹿 児島県初記録であるので,ここに両種を報告する.

カヤツリグサ科植物2 種(ウキヤガラとイセウキヤガラ) の鹿児島県本土からの記録(丸野勝敏)