野生生物の分布・生息状況の調査は,本来捕 獲や目視による手法が主流である.しかし調査対 象によっては十分な成果が得られない場合があ り,特に哺乳類は警戒心が強く,動作も俊敏であ ることから直接捕獲や目視は困難である.従って 哺乳類調査の手法としては,主にフィールドサイ ン(糞,足跡,食痕等)の確認による「フィール ドサイン法」や様々な罠を仕掛ける「トラップ法」 が実施されてきた. 哺乳類調査手法の一つである「無人撮影法」は, 各種センサーによる自動撮影装置を使用した方法 で,小型~大型の哺乳類の生態が直接確認できる という大きなメリットがあり,河川水辺の国勢調 査等でも推奨されている(河川水辺の国勢調査基 本マニュアル[河川版],国土交通省).機材が比 較的高額(高いものは数十万以上)であることか ら,以前は一部の大企業や大学等の研究機関が実 施しているのみであったが,近年安価なカメラの 普及による低価格化や構造の単純化及び機材の小 型化によって装置のセッティングが容易になり, 多くの調査で用いられている. 自動撮影装置は使用するカメラによってアナ ログ式とデジタル式の 2 形式に分けられる.アナ ログ式は一眼レフカメラや固定焦点式レンズカメ ラをセンサーと連携させたもので,保存媒体は フィルムである.デジタル式はデジタルカメラ電 源の ON-OFF を利用したもので,保存は内蔵メ モリーに画像データとして格納される.双方はカ メラ本体の機能やセンサーとの連携の仕方が異な るため,成果に若干の違いが現れる.調査精度の 向上を図るためには,それらの違いを考慮した上 での使用が望ましい. 生物多様性条約(1992)に端を発する生物多 様性保全の世界的な流れは,我が国においても鳥 獣保護法の改正(2002),生物多様性基本法の制 定(2008)等が実施され,致死性の高いトラップ (はじき罠,パンチュートラップ等)からライブ トラップ(シャーマントラップ,生け捕り罠など) への移行や野生生物捕獲許可申請の徹底が成され ている.このような流れから,野生生物を傷つけ ずに生態情報が得られる無人撮影法は,今後頻繁 に用いられる手法と考えられる. 本報告では「アナログ式」及び「デジタル式」 の撮影例を元に,双方の成果の特徴や傾向を分析 した.

自動撮影装置を使用した野生生物調査法 ―アナログ式とデジタル式の効果的活用―(宅間友則・鮫島正道)