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南大隅町佐多伊座敷沖から得られた鹿児島湾初記録のキビレカワハギ

長谷川雄大・中村亮太・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

カワハギ科ウマヅラハギ属Thamnaconusは,雌雄ともに背鰭と臀鰭の前方が長く後方で短くなること,第1背鰭棘後側面の棘が側方を向くあるいは消失していること,腹鰭が腰骨の後端に位置すること,鞘状鱗が腰骨の後端に位置すること,鰓孔が胸鰭基部の前方か上方にある短い切れ込みであること,頭長が体高とほぼ同長であること,および脊椎骨数が19であるなどによって特徴付けられる(Hutchins, 1977, 2001; Matsuura, 2021).日本からはアズキウマヅラT. fijiensis Hutchins and Matsuura, 1984,サラサハギT. hypargyreus (Cope, 1871),キビレカワハギT. modestoides (Barnard, 1927),ウマヅラハギT. modestus (Günther, 1877),ゴイシウマヅラハギT. tessellatus (Günther, 1880),およびナンカイウマズラハギT. septentrionalis (Gunther 1874)の6種が知られている(林・萩原,2013; Matsuura, 2014;本村,2025).
 2025年6月1日に南大隅町佐多伊座敷沖において1個体のキビレカワハギが釣獲された.本標本は本種の鹿児島湾初記録となるためここに報告する.