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世界自然遺産登録地屋久島西部地区でのシカによる 生態系被害回復モニタリング — 防鹿ネット柵設置後 3 年間の植生の変化 —

寺田仁志・手塚賢至・荒田洋一

Abstract / Introduction / Summary:

ニホンジカの増加による生態系被害は全国各地 で問題になっているが,県内でも霧島,紫尾山系, 屋久島,臥蛇島等でも食害が著しく,植生に大き なダメージを与えている.屋久島内を見ると特に 世界自然遺産登録地に登録されている西部地区で 被害が著しい.  屋久島生物多様性保全協議会(手塚賢至会長) では,西部地区における植生被害の実態を把握し, 生態系被害に対応するための基礎調査として 2009 年 3 月に防鹿ネット柵(以下シカ柵)を設 置し,シカ柵の効果,対象地の自然の復元力等の モニタリング調査を実施している.今回は,3 年 間の植生変化について報告をする.