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鹿児島県桜島袴腰海岸における潮間帯巻き貝シマベッコウバイ(腹足綱:エゾバイ科)の生活史

川野勇気・冨山清升

Abstract / Introduction / Summary:

鹿児島県桜島にある袴腰海岸は多様な生物が生息している転石海岸である.シマベッコウバイJapeuthria cingulata (Reeve, 1847)は,鹿児島県の潮間帯では普通種である.本研究ではシマベッコウバイの生活史についてサイズ頻度分布の季節変動を用いて明らかにした.2月から5月にかけて稚貝の新規加入が徐々に増えて6月にピークを迎えることから,シマベッコウバイの稚貝の新規加入のピークは6月頃と推定された.殻高の最大値が年間を通して30 mm前後で安定していることから,袴腰のシマベッコウバイは少なくとも4年以上は生きると考えられた.