Abstract / Introduction / Summary:
ハゼ亜目魚類はツバサハゼ科,ドンコ科,カワアナゴ科,ヤナギハゼ科,ハゼ科,スナハゼ科,オオメワラスボ科,クロユリハゼ科,およびシラスウオ科の9科を含み(明仁ほか,2013),主に小型魚類で構成されるグループである. 鹿児島県薩摩半島西岸における魚類相調査で採集されたハゼ亜目魚類標本を調査したところ,本亜目8種の標本について,形態や色彩からミドリハゼEviota toshiyuki Greenfield and Randall, 2010,セホシサンカクハゼFusigobius duospilus Hoese and Reader, 1985,オオモンハゼGnatholepis anjerensis (Bleeker, 1851),スケロクウミタケハゼPleurosicya boldinghi Weber, 1913,アカスジウミタケハゼPleurosicya micheli Fourmanoir, 1971,アワセイソハゼSueviota lachneri Winterbottom and Hoese, 1988,オグロクロユリハゼPtereleotris heteroptera (Bleeker, 1855),およびイトマンクロユリハゼPtereleotris microlepis (Bleeker, 1856)に同定された.これらの種は過去の国内における記録を網羅した明仁ほか(2013)や近年,九州沿岸の魚類を扱った図鑑や目録[岩坪ほか(2016)(鹿児島県薩摩半島南岸),Iwatsuki et al. (2017)(九州東岸),岩坪・本村(2017)(鹿児島湾),小枝ほか(2018)(鹿児島県大隅半島東岸),および村瀬ほか(2019)(宮崎県)]にも掲載されておらず,九州からの初記録となるためここに報告する.