Abstract / Introduction / Summary:
ミカヅキツバメウオPlatax boersii Bleeker, 1853は,日本からインドネシアにかけての西太平洋に分布するマンジュウダイ科魚類である(岸本ほか,1988;岸本,1997;Heemstra, 2001;林・萩原,2013;畑・本村,2018).日本国内においては石川・松浦(1897)が八重山諸島から得られた標本をもとに初めて報告し,その後,福井県,岩手県から鹿児島県大隅半島東岸にかけての太平洋沿岸,伊豆諸島,小笠原諸島,大隅諸島,沖縄諸島および八重山諸島から報告されている(岸本ほか,1988;吉野,2008;三浦,2012;林・萩原,2013;Koeda et al., 2016;鏑木,2016;Motomura and Harazaki, 2017;木村ほか,2017;畑・本村,2018;三木,2019). 2019年3月4日に鹿児島県奄美大島近海において1個体のミカヅキツバメウオが採集された.本標本は奄美群島における本種の標本に基づく初めての記録となるため,ここに報告する.