/ 045-037

屋久島におけるチャイロヤッコ(キンチャクダイ科)の標本に基づく初めての記録

藤原恭司・吉田朋弘・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

キンチャクダイ科アブラヤッコ属Centropygeは,日本国内から12種が記録されている(島田,2013). 2019年2月3日に屋久島一湊の水深約19 mから1個体のアブラヤッコ属魚類が採集された.その後,この標本(KAUM–I. 127639)は形態・色彩的特徴からチャイロヤッコCentropyge fisheriに同定された.本種は日本国内では伊豆諸島から宮崎県日南の太平洋沿岸,琉球列島(大隅諸島を含む),および小笠原諸島から記録されており(島田,2013;Motomura and Harazaki, 2017),このうち,屋久島の記録は水中写真に基づく記録で,これまで標本は得られていなかった.したがって,上述の個体はチャイロヤッコが屋久島に生息することを証明する証拠標本となるため,ここに報告する.