/ 045-015

屋久島で撮影されたイヤゴハタとカケハシハタの交雑個体

中村潤平・高久 至・畑 晴陵・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

ハタ科マハタ属魚類(Serranidae: Epinephelus)は日本国内から44種が知られていたが(瀬能,2013;藤原ほか,2015; Nakamura et al., 2018),最近,日本産アオハタモドキEpinephelus stictus Randall and Allen, 1987が誤同定に基づく記録であることが明らかになり(Frable et al., 2018),日本産本属は43種となる.そのうち23種が屋久島から報告されている(Motomura et al., 2010; Motomura and Harazaki, 2017). 2018年6月10日に屋久島の一湊沖水深20 mでマハタ属魚類の幼魚の水中写真が撮影された.水中写真の個体は,色彩や体側の模様からイヤゴハタEpinephelus poecilonotus (Temminck and Schlegel, 1843)とカケハシハタEpinephelus radiatus (Day, 1868)に類似するが,両種の中間的な色彩を併せもち,2種の交雑個体であると考えられた.本研究では,この水中写真の個体から得られた知見をここに報告する.