種子島から得られたマルサヨリ

マルサヨリHyporhamphus dussumieri Valenciennes, 1847は体長30 cm程度に達するサヨリ科魚類である.西太平洋の熱帯域に多く分布し,同海域の島嶼域や珊瑚礁域においては最も一般的なサヨリ科魚類とされ,曳網などで漁獲され,干物などにして食用とされる(Collette, 1999).日本国内においては琉球列島に多産する.沖縄島においては定置網や刺網,釣りなどで漁獲され,「ゆしばゆー」と称され,市場に並べられる(具志堅,1972;益田ほか,1975;吉野,1984;三浦,2012).鹿児島県において,マルサヨリは奄美群島からは複数例の記録があるものの(例えば佐々木,2014;Nakae et al., 2018;森下,2018),大隅諸島以北においては口永良部島における記録があるに過ぎなかった(木村ほか,2017). 2017年11月23日,種子島南部東岸に位置する竹崎漁港において,1個体のマルサヨリが第2著者により釣獲された.本標本は種子島における本種の標本に基づく初めての記録となるため,ここに報告する.