Abstract / Introduction / Summary:
アジ科魚類は日本近海に61種が分布することが知られ(宮本ほか,2011;瀬能,2013;岩坪ほか,2016),そのうち鹿児島県内においてはクボアジAtropus atropus (Bloch and Schneider, 1801),ヨロイアジCarangoides armatus (Rüppell, 1830),コガネアジC. bajad (Forsskål, 1775),アンダマンアジC. gymnostethus (Cuvier, 1833),キイヒラアジC. uii (Wakiya, 1924),オオクチイケカツオScomberoides commersonnianus Lacepède, 1801,テルメアジSelar boops (Cuvier, 1833),ホソヒラアジSelaroides leptolepis (Cuvier, 1833),およびコガネマルコバンTrachinotus mookalee Cuvier, 1832の9種を除く52種の分布が確認されていた(Motomura et al., 2007, 2010;北,2007;財団法人鹿児島市水族館公社,2008;瀬能,2013;畑,2013;武内,2014;畑ほか,2015;Motomura et al., 2016;鏑木,2016;岩坪ほか,2016;畑・本村,2016, 2017a–c; Motomura and Harazaki, 2017; Koeda et al., 2017;畑,2017). 奄美大島における魚類相調査の過程において,これまで奄美群島における分布記録のなかったミナミギンガメアジCaranx tille Cuvier, 1833,オニアジMegalaspis cordyla (Linnaeus, 1758),およびホソヒラアジが採集された.前者2種は奄美群島,ホソヒラアジは鹿児島県における標本に基づく初めての記録となるため,ここに報告する.