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鹿児島県志布志湾の枇榔島で拾得されたキクガシラコウモリ科 キクガシラコウモリ属 Rhinolophus 2 種の初記録

渡邊啓文・船越公威

Abstract / Introduction / Summary:

鹿児島県志布志湾の枇榔島は志布志市の沖合い 南方約5 km の志布志湾内に位置し,周囲3.2 km, 頂上部海抜83 m,面積17.7 ha の小さな無人島で ある(31°26′N, 131°07′E: 図1).地質は第三紀層 に属し,日南層群の堆積岩からなり小丘陵をなす が,海岸は主として礫浜である.島の東半分はヤ シ科ビロウの純林で覆われ,日南海岸国定公園に 指定されていると共に,ビロウ林をはじめとする 亜熱帯性植物群落は特別天然記念物にもなってい て,鳥類も豊富である(鹿児島県保健環境部環境 管理課,1989).しかし,本島における哺乳類の 本格的な調査は行なわれていない.今回,本島に おいてコウモリ類2 種,キクガシラコウモリ Rhinolophus ferrumequinum とコキクガシラコウモ リR. cornutus が拾得された.両種は志布志湾の 枇榔島での初記録となるため,ここに報告する.