Abstract / Introduction / Summary:
アカエイ科は世界で 7 属約 70 種,日本近海か らは 3 属 15 種が有効種として知られており,そ の内,日本に分布するアカエイ属はヤジリエイ Dasyatis acutirostra Nishida and Nakaya, 1988,アカ エイ D. akajei (Müller and Henle, 1841),オナガエ イ D. bennetti (Müller and Henle, 1841),イズヒメ エイ D. izuensis Nishida and Nakaya, 1988,ヤッコ エイ D. kuhlii (Müller and Henle, 1841),シロエイ D. laevigatus Chu, 1960, ホ シ エ イ D. matsubarai Miyoshi, 1939, ツ カ エ イ D. sephen (Forsskål, 1775),ウシエイ D. ushiei Jordan and Hubbs, 1925, カラスエイ D. violacea (Bonaparte, 1832),および ズグエイ D. zugei (Müller and Henle, 1841) の 11 種 が知られている(Aonuma and Yoshino, 2002;西田, 2006).イズヒメエイは,伊豆半島沿岸から採集 された標本に基づき新種として記載され,現在で は伊豆半島,高知県以布利,房総半島,有明海か ら報告されている(Aonuma and Yoshino, 2002; 吉満・山口,2004). 2007 年 7 月 25 日に鹿児島湾南方に位置する知 林ヶ島沖の定置網において,イズヒメエイと同定 される標本が 1 個体採集された.この標本は鹿児 島県における初記録となるため,ここに報告する. また,本研究の調査中に D. izuensis のパラタイプ 1 個体の所在が不明であることが判明したため, 合わせて報告する.