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水中写真に基づくイッポンテグリ ( ネズッポ科:イッポンテグリ属 ) の屋久島からの初記録

古𣘺龍星・原崎 森・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

ネズッポ科イッポンテグリ属(Callionymidae: Dactylopus)は世界でイッポンテグリ Dactylopus dactylopus (Valenciennes, 1837) と Dactylopus kuiteri (Fricke, 1992) の 2 有効種が知られ,日本には前者 のみが分布する(中坊・土井内,2013;Fricke et al., 2021).イッポンテグリは東インド洋と西太平 洋の砂泥底に生息する底生魚であり,腹鰭に棘と 第 1 軟条が合わさった遊離する鰭条をもつことが 特徴である(Fricke, 2001;中坊・土井内,2013). 最大で体長 250 mm になり,東南アジアでは海老 底曳網漁でよく漁獲され,魚粉製品の原料に利用 されている(Fricke, 2001). 2021 年 8 月 18 日に鹿児島県大隅諸島の屋久島 においてイッポンテグリが撮影された.この写真 は本種の屋久島における初めての記録となるた め,ここに報告する.