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薩摩半島南端から得られた標本に基づく九州初記録のキテンハタ

上城拓也・平田堅固・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

キテンハタEpinephelus bleekeri (Vaillant, 1878)は,インド・西太平洋に広く分布するハタ科魚類である(Randall and Heemstra, 1991).日本国内においては大隅諸島種子島,奄美大島,および八重山諸島から標本に基づき記録され,神奈川県小田原市,愛媛県南宇和郡,宮崎県東臼杵郡,鹿児島県南さつま市,および大隅諸島屋久島から写真あるいは信頼性のある目視記録が報告されている(藤原ほか,2015). 2018年9月23日に鹿児島県指宿市川尻漁港沖の水深60 mにある魚礁から1個体のキテンハタが釣獲された.本標本はキテンハタの九州からの標本に基づく初めての記録となるため,ここに報告する.