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九州初記録ならびに分布北限記録更新のセスジタカサゴイシモチ

岩坪洸樹・橋口 亘・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

スズキ目タカサゴイシモチ科魚類(Perciformes: Ambassidae)は日本国内から 6 種が知られており, いずれも標準体長が最大でも 10 cm に満たない小 型種である(宮原,2009;林,2013).そのうち セスジタカサゴイシモチ Ambassis miops Günther, 1871 は,琉球列島に広く分布し(米沢,2003; 宮 原,2009; 林,2013;Motomura and Harazaki, 2017 など),河口の汽水域に生息することが知ら れている(宮原,2009;林,2013).また,セス ジタカサゴイシモチはこれまでに屋久島が分布の 北限とされていた(米沢,2003;Motomura et al., 2010; Motomura and Harazaki, 2017). 2016 年 12 月 20 日に鹿児島県南さつま市坊津 町久志博多川から 1 個体のセスジタカサゴイシモ チが採集された.これはセスジタカサゴイシモチ の九州からの標本に基づく初記録であると同時 に,同種の分布北限記録の更新となる.そのため, 得られた標本を記載しここに報告する.