ウミニナ Batillaria multiformis (Lischke) は吸腔 目ウミニナ科に属する腹足類である.発生様式は 紐状の卵鞘を産み,ベリンジャー幼生が孵化する プランクトン発生の生活史をとる.北海道南部か ら九州までの日本各地においてもっともふつうに みられ,主に砂泥や砂礫上に生息している.しか し,本種の生活史については,まだ不明な点が多 い.今回は,メヒルギ Kandelia candel (L) Druce やハマボウ Hibiscus hmabo Siebold et Zuccarini か らなるマングローブ林の北限である鹿児島県喜入 町の愛宕川河口干潟と,中礫の転石河岸で,植生 は無くコンクリート護岸に囲まれている鹿児島市 谷山の永田川で調査を行った.本研究では,2 つ の異なる環境におけるウミニナのサイズ頻度分布 の季節変化や生息密度を調査して生態学的比較を 行った.

鹿児島湾の干潟における ウミニナ(Batillaria multiformis)の生活史(四村優理・冨山清升)