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桜島袴腰におけるムラサキクルマナマコの個体数の通年変化

高山良政・高山清玄・高山真一郎

Abstract / Introduction / Summary:

桜島の潮間帯における生物の生態については 幾つかの報告がある(平田ほか,1969;稲留・山 本,2005).2010 年 7 月,いおワールドかごしま 水族館主催「磯の生きもの調査隊」に参加し,桜 島袴腰の磯にムラサキクルマナマコ Polycheira rufescens を多数認め,海から陸に移動する本種の 生態に興味をもった. ナマコの仲間は世界に約 1500 種,日本には 200 種が生息する(岡本・山本,2009).ムラサ キクルマナマコは相模湾以南に分布し,体長 10– 15cm,体が円筒形で前後に細長く,全体的に黒 味を帯びた紫色という特徴を有するクルマナマコ 科 の 1 種 で あ る( 武 田,2002; 池 田・ 倉 持, 2005). 筆者らは桜島袴腰における本種の月毎の個体 数を調べ,桜島における本種の生態の通年変化を 調査することを試みた.