ソリハシコモンエビ Urocaridella sp. はサンゴ 礁の岩のくぼみや洞穴の中などに生息し,そこに 来る魚類の口,鰓腔内,および体表などに付いた 寄生虫を食べる,魚類のクリーニングを行うこと が知られている(亀崎ら,1988;峯水,2000;加 藤・奥野,2001).クリーニングは夜間に活発に 行われるが,日中でも行われる(加藤・奥野, 2001).また,夜間は波打ち際付近まで遊泳して くることがある(峯水,2000). 2012 年 10 月 22 日に鹿児島県与論島茶花港で ソリハシコモンエビ 1 標本が得られた.本調査で 得られたソリハシコモンエビは,標本に基づく鹿 児島県からの初記録となる.さらに,ソリハシコ モンエビは水中写真に基づく記録やダイバーによ る 観 察 例 が 多 く 報 告 さ れ て い る が( 亀 崎 ら, 1988;奥野,1994;加藤・奥野,2001),標本に 基づく日本国内からの記録は,これまでに奥野 (1994)による八丈島産の標本のみである.よって, 今後の分類学的研究や生物地理学的研究などに寄 与するために,この標本を記載し報告する.

鹿児島県与論島から採集されたソリハシコモンエビ Urocaridella sp.(岩坪洸樹)