ハオコゼ科魚類はインド・太平洋域において 少なくとも 11 属 38 種が有効種として認められて いる(Nelson, 2006).そのうち日本近海からはツ マ ジ ロ オ コ ゼ Ablabys taenianotus (Cuvier, 1829), ナ ガ ハ チ オ コ ゼ Neocentropogon aeglefinus japonicus Matsubara, 1943,ヒレナガハチオコゼ Neocentropogon sp., シ マ ハ チ オ コ ゼ Ocosia fasciata Matsubara, 1943,ハチオコゼ Ocosia vespa Jordan and Starks, 1904,ハオコゼ Paracentropogon rubripinnis (Temminck and Schlegel, 1844),ヤマヒ メ Snyderina yamanokami Jordan and Starks, 1901, アゴヒゲオコゼ Tetraroge barbata (Cuvier, 1829), お よ び ヒ ゲ ソ リ オ コ ゼ Tetraroge niger (Cuvier, 1829) の 9 種 が 報 告 さ れ て い る( 中 坊,2000; Nakabo, 2002;山田,2007). Neocentropogon aeglefinus japonicus は,高知県 沖から採集された 1 標本に基づき 1943 年に新種 記載され,同時に新和名ナガハチオコゼが提唱さ れた.現在,ナガハチオコゼは国内では高知県の み,国外では東シナ海や南シナ海などの西部太平 洋に分布することが知られている(Poss, 2000; 中坊,2000;Nakabo, 2002;石田,2006). 2010 年 7 月 8 日に鹿児島県大隅半島北東部に 位置する志布志沖においてナガハチオコゼと同定 される 1 標本が底曳網によって採集された.この 標本は本種の鹿児島県における標本に基づく初め ての記録であるため,ここに報告する.同時に鹿 児島大学総合研究博物館に所蔵されている鹿児島 県産のハオコゼ科魚類の標本もここに記録する.

鹿児島県初記録のナガハチオコゼ Neocentropogon aeglefinus japonicus と標本に基づく鹿児島県産ハオコゼ科魚類の記録(荻原豪太・本村浩之)