フイリマングース Herpestes auropunctatus は, マングース科エジプトマングース属に属し,西ア ジアから東南アジア,中国南部に広く分布してい る(Wozencraft, 2005; Yamada et al., 2009).主に昼 行性であり,昆虫,両生類,爬虫類,鳥類,哺乳 類, 植 物( 果 実 ) を 摂 食 す る(Nellis, 1989; Yamada et al., 2009; 船越 , 2010).妊娠期間は約 7 週間であり,生後約 180 日で性成熟に達する (Nellis, 1989; Yamada et al., 2009). 近年のエジプトマングース属におけるミトコ ン ド リ ア DNA(Chtb, ND2), 核 DNA(FGBi7, TTRil)の解析により,形態的・生態的にも似て いるジャワマングース Herpestes javanicus とフイ リマングースは,別種であることが判明した (Veron et al., 2007; Patou et al., 2009).日本に生息 するマングースも全てフイリマングースであるこ とが分かった(Veron et al., 2007; Patou et al., 2009; Watari et al., 2011). ジャワマングースおよびフイリマングースは, ネズミ類やヘビを減少させるために西インド諸島 や フ ィ ジ ー 島, ハ ワ イ 島 な ど へ 移 入 さ れ た (Simberloff et al., 2000; Thulin et al., 2006; Yamada et al., 2009; 小倉・山田,2011).日本では,沖縄 県においては 1910 年に,奄美大島においては 1979 年に,ネズミ類やハブ退治のためにインド からマングースが移入された(阿部ほか,1991; Thulin et al., 2006; Yamada et al., 2009). し か し, 実状はネズミ類やヘビよりも農作物や在来種を捕 食し,生態系に影響を及ぼしている(小倉・山田, 2011).そのため,IUCN では,マングースを侵 略的外来種ワースト 100 に指定し,マングースの 駆除が各国々で行われている(Lowe et al., 2000; 小倉・山田,2011).鹿児島市においては,2009 年 6 月に生息が確認され,1983 年に喜入町で捕獲・ 剥製されたマングースが発見されたことから,30 年以上前から生息していたことが分かった(中間・ 小溝,2009; 船越,2010).沖縄島・奄美大島の マングースによる在来種や農作物への被害状況か ら,鹿児島市でもマングースによる生態系への影 響が懸念され,2009 年 7 月から捕獲が開始され, 現在もマングースの防除事業が実施されている. 食肉目における齢査定は,骨端軟骨の消失,歯 の摩耗,歯のセメント層の年輪構造の観察,そし て水晶体重量による方法等がある(米田,1977; 三浦,1977).これらの方法の中でも歯牙のセメ ント層の観察は,最も多く使われている方法だが, ハイエナ科とジャコウネコ科においては歯牙年輪 の 観 察 報 告 が 無 い( 米 田,1977).Nellis and Everard (1983) はマングースの歯牙のセメント層 の観察を試みたが,明らかな年輪が形成されず, 齢査定は不可能であったと指摘している.一方で, 水晶体重量は,比較的寿命の短い小型獣,

フイリマングース Herpestes auropunctatus の水晶体重量に基づく 齢査定と年齢構成(新井あいか・船越公威)