/ 043-010

大隅半島東岸内之浦湾から得られたオグロエソ

畑 晴陵・山田守彦・本村浩之

Abstract / Introduction / Summary:

エソ科アカエソ属 Synodus は腹鰭軟条数が 9, 腹鰭最後軟条長が第1 軟条長の2–3 倍であること, 臀鰭軟条数が 8–11,臀鰭基底長が背鰭基底長よ り も 短 い こ と, お よ び 尾 鰭 両 葉 の 前 起 鰭 条 (procurrent ray)が被鱗しないことなどで特徴づ けられ(Russell, 1999),日本からは 14 種が知ら れる(山田・柳下,2013).そのうちオグロエソ Synodus jaculum Russell and Cressey, 1979 は鹿児島 県内において,これまで屋久島と琉球列島からの み報告されていた(Motomura et al., 2010;山田・ 柳下,2013).内之浦湾における魚類相調査(例 えば小枝・本村,2015;吉田・本村,2015;畑ほ か,2016)の過程で,1 個体のオグロエソが採集 された.本標本は九州沿岸におけるオグロエソの 標本に基づく初めての記録となるため,ここに報 告する.